子どもたちが大学3年生と大学院1年生で、いよいよ就職活動も本格的になってきたので、すごく久しぶりに自分が就職活動をした27年前の思考などを思い出し…
27年間のサラリーマン生活+最近5年間の事業者の経験をまじえ、表題の「会社員の仕事で自己実現が可能か」を考察します。
なんで、その表題なのかと言えば…
企業が主催する就職セミナーとかでは「自己実現ができる会社」とか「なりたい自分になれる会社」とかのキャッチコピーが飛び交ってますから。
あっ、僕の勤務先の会社も軽くそんな感じ。
まず、株式会社の構造を考えてみましょう。というか、それが全て。
①唯一の全権機関として株主総会
②株主総会の決定を執行する役員会
③役員会からの指示で業務を行う社員
です。
収入形態は
①権利収入
②労働収入
③労働収入
です。
なので、①は株を保有しているだけで働かなくても収入が入り続けます。②と③は給料の多少の差はあれ働かなくなると翌日から収入はなくなります。
③を解雇する権限があるのは②、②を解任する権限があるのは①、①は株を売却しないかぎり末代まで地位は安泰です。
次に、そもそも株式会社がなんのために設立されるか考えてみましょう。
答えは単純です。ほとんどの場合の創業メンバーである株主が儲けるためです。
でも、数少ない株主が労働するのには限界があるので、人をお金で雇用し、人とお金を働かせてさらにお金を儲けます。
儲けたお金は、まずは株主が利益に比例分配します。残ったお金から設備投資と事業回転資金を差し引き、さらに残ったお金で社員・役員の給料と税金を支払います。
結論を言えば、株式会社においては株主にならないと会社の方向を決める最終権限はなく、さらに大きな利益は入りません。
逆に言えば、社員・役員の仕事は他人の事業、つまり、株主の金儲けのお手伝いであり、事業主体とはなり得ません。
もう、おわかりですよね。
会社員の仕事で真の自己実現は不可能です。頑張って出世すれば社長や役員にはなれますが株主にはなれず、株主による解任権一発で全て失う立場です。
簡単に言えば、他人のふんどしで自己実現なんて、そもそも無理ゲー(笑)
この歳になるとわかることですが、若い時はなかなか見えません。あ、真実に目を反らしている人は定年退職まで気づかないですが。
この歳になるとわかることですが、若い時はなかなか見えません。あ、真実に目を反らしている人は定年退職まで気づかないですが。
さて、仕事には「ワーク」と「ジョブ」があります。日本語には「仕事」しかありませんが。
ワークとは、ライフワークに代表されるように、お金に関係なく自分が自分である(アイデンティティー)のためにやることです。
ジョブとは単純にお金(生活)のためにやることです。
日本のサラリーマン社会においては、ワークとジョブが同一であることが美徳とされ、また、そう生きる人が多数派ですが、本当にそうですか?
そう思い込みたい、そう思わないと救われない、そう思わせたほうが会社に都合がよい…
だけじゃないですか?
僕は会社員の仕事が自分の人生の仕事だとは全く思いません。
そして、自分が何者で、その価値を決めるのは会社じゃなくて社会だと考えています。
当たり前の話ですが、会社じゃなくて社会に認められ、自分の力で生きていくようになることが自己実現の第一歩です。
自己実現は自分の事業の事業主、または自分の会社の筆頭株主の立場でしか果たせません。
そうじゃないと、他人の意見に左右されて人生が決まっていきますから。
少し考えればわかることですよね。
自己実現は自分の事業の事業主、または自分の会社の筆頭株主の立場でしか果たせません。
そうじゃないと、他人の意見に左右されて人生が決まっていきますから。
少し考えればわかることですよね。
ということで、子どもたちへのアドバイスです。
①ワークとジョブを分けて考える
②ワークに十分な力を注げる、余裕のあるジョブを選ぶ
③ワークを頑張り、社会に評価されたら事業化する
④自分の事業こそが、本当の自分の仕事
⑤保険としてジョブは辞めないで
です。
実際、僕もワークをすでに事業化し、ジョブと収入は同等程度(ものすごく浮き沈みがありますが)です。
ジョブも趣味の延長みたいな職種なので、まぁまぁ楽しいですが、やはり、ピリピリと真剣で充実するのは自分の事業ですね。