「経営者感覚を持て」と社員に言う経営者の愚|すでに論理破綻

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「もっと経営者感覚を持て」…サラリーマンなら一度や二度、いや、耳にタコができるくらい言われていることでしょうが、これって冷静に考えると論理破綻している「そんなわけないよね」という言葉です。

■経営者と会社員の本質的な違い


●それは権利収入と労働収入の差異


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実際の話、経営者と会社員の立場や収益形態は正反対です。ただし、この場合の経営者とは雇われ役員とかではなく、株式も保有する本当の経営者ですが。

経営者は労働者に賃金を支払って権利物を構築し、その権利物が産む収益を永続的に回収する「権利収入者」です。

一方、会社員や雇われ役員は自身の時間と労力を刹那的に切り売りして、他人の権利物を構築しています。ですから、今月働いても来月働かなければ収益はありません。

わかりやすく例えると、経営者=地主、会社員=小作農の関係性と一致します。

ですので、経営者が言う「経営者感覚を持て」は「他人の畑を頑張って耕せ」と言っているようなもので、会社員はいくら頑張っても畑は自分のものになりせん。

■会社員が本当に経営者感覚を持ったら


●給料はいらないから株をくれとなる


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ちなみに、「もっと経営者感覚を持て」と言う言葉を、会社員が真にうけて突き詰めた場合にどうなるかと言えば…

「給料はいらないから株式または版権をよこせ」となります。あっという間に消費されてなくなる使い捨ての給料より、株式や版権などの権利物のほうが永続的であり、トータルでは遥かに収益性が高いので、どうせ頑張るならそちらがいいに決まっています。

もちろん、これは現実的ではありません。本当にそんなことをすれば、経営者は権利を失い、永続的な収益は会社員に移ってしまいますから。

なので、経営者は「もっと経営者感覚を持て」ではなく、「給料を増やすから頑張って」というのが正解なのです。

まとめると、「もっと経営者感覚を持て」と言うのは、客観的思考を失った社畜化した会社員に対する精神的プレイであると言えるでしょう。

■経営者同士の契約


●お金ではなく権利をやり取りする


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ここまでは、経営者と会社員の労働契約に焦点をあてて話を進めてきましたが、似て非なるものに経営者と経営者の業務契約=業務提携があります。

健全なフィフティーフィフティーの業務提携の場合、そこにお金を払う側と受けとる側は存在せず、権利物をやり取りする形になります。

お金のやり取りが発生するケースのほとんどは、業務提携という名の買収です。

ここから、具体例です。

現在、僕のWEBメディアは東京の有名WEBメディアと業務提携をしています。

内容は、僕が最先端のSEO技術で提携先コンテンツを執筆し、検索上位表示とトラフィック増加を狙うというものです。

ここで、雇用・非雇用の関係性であるメディア対ライターであれば、メディアはライターに原稿料を支払い著作権・コンテンツ権を入手しますが…

このケースでは、メディア対メディアの業務提携なので原稿料は一円もいただきません。お金を受け取った時点で対等な関係性は失われますので。

では、こちらのメリットはと言えば、お金のかわりに、先方のコンテンツ内にこちらへのリンクを自由に貼る権利をもらい、先方の読者流入をいただきます。

また、こちらのトップコンテンツから先方へ提供したコンテンツに対してもリンクを貼り、双方の流入を促すのです。

これにより、双方の潜在読者が往来をし、双方にPV増加というWinWinの共益関係が発生します。

話は、ずいぶんと広がりましたが、会社員のみなさん…

表面的な「もっと経営者感覚を持て」に踊らされることなく、論理思考を突き詰めてくださいね。