■ウミサソリの繁栄期と分類
ウミサソリは約4億6000万年前、古生代(オルドビス紀~シルル紀~デボン紀)の海の食物連鎖の頂点に君臨していた巨大な甲殻類の仲間で、特にシルル紀には頂点捕食者だったと考えられています。最大で全長3m近くにもなり、真性魚類の祖先である無顎類を捕食していたと考えられています。
分類的には甲殻類のなかで比較的原始的なグループである剣尾類(サソリやカブトガニの仲間)に属していますが、より古い甲殻類の頂点捕食者であるアノマロカリスとは、脚が分化していた(捕食脚・歩脚・遊泳脚)点で大きく異なります。
■ウミサソリの衰退と絶滅
シルル紀以降、より高等な無脊椎動物である軟体動物(アンモナイト類)や顎を持った真性魚類の進化にともない衰退絶滅しました。
ウミサソリの再現CG動画
こちらがウミサソリの当時の様子を再現したCG動画です。
■ウミサソリの化石と出土層
こちらがウミサソリの化石をもとにした再現図と再現模型です。ウミサソリの化石は、古生代大絶滅(約2億5140万年前)となるP-T境界以降の地層からは出土していないため、古生代に完全に絶滅したと考えられています。