息子と血の涙を見てから一年…生きる厳しさを感じ続ける日々

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僕には現在高校三年生の息子がいるのですが(執筆当時)、小さい頃からある格闘競技に親子で取り組んできました。

小さい頃は純粋無垢に取り組めたのですが、高校から大学進学となると、どんな大学にどんな条件で進学し、どんな資格がとれどんな就職進路があるのか…

現実的に「生きるため」の事が絡んできます。

息子の進学希望は、多数の全日本チャンピオンや五輪選手も輩出している、その競技の最名門大学でした。

推薦入学の基準は県大会三位以内と県大会四連覇の息子にとってはすでにクリアしていましたが…

問題は学費免除の特待生枠…その基準は全日本高校生三位以内と、可能ながら安易でもないというものでした。

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今は少し状況が変わりましたが、当時の我が家の経済事情では、県外の私立大学に学費・家賃・生活費などを払って進学させることは非常に厳しいものでした。

全日本高校生大会へ臨むなかで、アマチュア競技でありながら、数百万の学費を奪い合う一戦になることへの意識は、かなり苦しいものでした。

競技者として純粋に戦ってほしい思いと、豊かな将来のために、もっと言えば金のために勝たなくてはいけないという思いです。

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試合の数日前、そのことを口にした僕ですが、息子の答えはシンプルなものでした。

「金が関わろうがなかろうが、戦う以上、相手は自分を殺しにくる。だから、先に殺る。」

というようなものでした。

試合当日、想定していたメダルマッチのコートに入る時の彼の目つきはいまだに脳裏にこびりついています。

結果、彼のフルスイングの打撃が顔面を直撃し、鈍い音ともに陥没骨折した目から血を流して相手は倒れました。

まるで、それは血の涙のようでした。

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時を同じく、僕自身もライターからブロガーへ転身…おなじ文を書く行為でもライターは雇われの身、ブロガーは自分で検索1ページ目を奪わなければ何も発生しないので、大きく感性は異なります。

自分が勝ち上がるために、個人・企業問わず、上位コンテンツの弱点を狙撃し蹴り落としたり、組んでいた企業に背中を撃たれたり…厳しい競合にへきへきもしましたが、それは正当な競合行為であり、誰かが勝つためには誰かが負け、生きるための奪い合いなので仕方がありません。

途中、「ウチは社員三人しかいない零細企業なので、もうやめてください」という申し入れなどもありましたが、容赦はしませんでした。

いつも、あの血の涙を思い浮かべては心を冷たく保ちました…結局、現在は状況が変わり、社員が二名に減ったその企業と組んでいますが。

そんな一年をおくり、僕も息子も何とか軌道にのっていますが、いつどこから狙撃されるかもしれないし、仲間から背中を撃たれるかもしれない…という意識は常に持ち続けていかないといけません。

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