癖のない綺麗な白身は絶品!?
その他、マンボウの歴史や栄養価等についても詳しくご紹介。フグの仲間であるマンボウ…ということはつまり、高級食材として名高いフグと同じく美味なのでしょうか?そもそもあまり食べるという話は聞いたことがありませんでしたが…結果的には物凄く美味しかったです。少し抵抗はありましたけどね。皆様も是非一度ご賞味あれ。
「マンボウ」とは?
硬骨魚類最大サイズのフグ。「魚類界最弱」の話は嘘!?
「マンボウ」とは、フグ目・マンボウ科・マンボウ属に属する魚で、世界最大のフグというだけでなく、世界最大の硬骨魚類としても知られています。「硬骨魚類」とはその名の通り、我々人間と同じような硬い骨をもつ魚類のことです。一方、軟らかい骨を持つ魚類のことを「軟骨魚類」と言い、これにはサメやエイの仲間などが当てはまります。
フグの仲間であるマンボウはシルエットこそ異なりますが、きちんとフグ特有の特徴も兼ね備えています。腹ビレは無く、他の魚と違い目の周囲の筋肉を使い眼を閉じることができ、また口は鳥のくちばしのような形状をしています。しかしマンボウの体にしかない特徴もありますね。それは、ユニークな尾ビレです。彼らはこのヒレを船の舵のように使用するため、通称「舵ビレ」と呼ばれています。またマンボウは魚類界最多の卵を産むと言われており、その数は驚異の3億個以上…生き抜くためのリスク分散ということなのでしょうね。
近年「とても弱い魚」だと印象付けられたマンボウ。「日光浴中に鳥に突つかれて死ぬ」、「仲間が死ぬと恐怖を感じて死ぬ」、「深く潜りすぎて寒くて死ぬ」などといった噂が蔓延し、その弱さは伝説級だと持ち上げられましたね。しかし、噂はあくまで噂!日光浴に鳥に突つかれるのは、マンボウ自身が寄生虫を食べてもらうためにやっていることでもあります。また仲間が死んでも連鎖的に死ぬということもなく、マンボウが800mほどまで潜る姿も実際に確認されています(体温が下がると日光浴)。確かに、体表は傷付きやすいため病気になってしまいがちで、狭い水槽内だと長期飼育は困難でしょうが…マンボウ自体噂ほど弱くはないんですね。
「マンボウ」の栄養価とその歴史
古くからある食文化!不飽和脂肪酸を多く含む癖強い肉
食用となるマンボウの部位は、身・肝臓・腸・真皮が主となっています。身は淡白で癖がなく、また水分を多く含んでいるため簡単に手で裂くことができます。腸はマンボウの部位の中でもかなり人気があり、コリコリとした歯応えが魅力的ですね。ちなみに漁師さんの間で最も人気があるのは、肝臓だと言われています。新鮮なものは生でそのまま食べるとか。身と共に混ぜ合わせられた「肝合え」が最高とのことです。そんなマンボウの肝には今大注目の栄養素、高度不飽和脂肪酸(DHA・EPA)が多く含まれています。高度不飽和脂肪酸は体内で作り出すことのできない必須脂肪酸の一種であり、動脈硬化・心筋梗塞の予防や脳細胞の活性化、抗ガン・抗アレルギー作用、中性脂肪等の成人病予防などに効果があると言われています。なおマンボウは古くから日本中で食べられてきた食材…というわけではなく、主に漁師町などで栄えたご当地食材だったとされています。今でこそ日本中で食べるようになりましたが…昔は知る人ぞ知る珍味だったようですね。
「マンボウ」料理の実食レポート
まずはやっぱり刺身で!腸は塩焼きとバーベキューソースで炒めて
さてそれでは実際に、入手したマンボウを使用して料理を作っていきたいと思います。といっても今回はお刺身と腸の塩&BBQソース炒めぐらいですので、さほど手間もかかりません。下ごしらえも特に必要が無く、必要量解凍しておくだけとなります。
美しい白身。身は簡単に手で裂ける
刺身は、身を手で裂くもしくは普通に包丁で切っていくだけです。なんとなくフグのような味と食感なのでは?と勝手に思い、あまり大きくは切りませんでした。薄切りには失敗しました。腸はすでに切ってあったため、半分は塩焼きに、残り半分はバーベキューソースと絡めて焼いていきます。特に注意点とかはなさそう?いたってシンプルですね。
気になるそのお味は?
身はもちもち食感!そして腸はコリコリとして味も絶品!
やや癖がある?しかしコリコリとしてとてもいい味
腸は身と全く違った食感です。コリコリです!非常にコリコリ!やや苦みがあるように感じますが…噛めば噛むほど味が染み出してきて、なんとも言えません。癖になりそうです。塩で炒めるだけもいいですが、バーベキューソースで炒めた方も良い味を出していますね。
洋野町種市のさかなや 産直丸魚