天体望遠鏡の選び方|初心者・小学生におすすめのタイプを各メーカーから紹介

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小学生の時に、すでに反射式望遠鏡+自動追尾方赤道儀のセットを使用していた天体ファンである筆者が、実際に使ってきた数多くのタイプの天体望遠鏡の中から、小学生や初心者の入門用におすすめの天体望遠鏡をご紹介します。

あわせて、天体望遠鏡のタイプ別の長所・短所、架台(経緯台と赤道儀)の機能の違い、天体望遠鏡の基礎知識についても解説します。

■目次



■買ってはいけない天体望遠鏡
■天体望遠鏡の種類(屈折式・反射式など)
■架台の種類(経緯台と赤道儀)
■口径による土星の輪の見え方
■月面観察なら6cm屈折経緯台
■星団観察なら10cm反射経緯台
■惑星観察なら15cm反射赤道儀
■天体撮影なら10cm屈折赤道儀
■20cmクラスの天体望遠鏡
■ふるさと納税の天体望遠鏡

■買ってはいけない天体望遠鏡


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おすすめの天体望遠鏡をご紹介する前に、まずは買ってはいけない望遠鏡からご説明します。

量販店などで、一万円以下のコンパクトタイプで「最高倍率200倍!」などの謳い文句で売られている天体望遠鏡がありますが、まさにそれが買ってはいけない天体望遠鏡です。

天体望遠鏡の倍率は対物レンズ(または対物鏡)の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離です。つまり、理論上は接眼レンズの焦点距離を短くすれば、いくらでも倍率を上げることは可能です。

天体望遠鏡の性能は、対物レンズ(または対物鏡)の直径=面積により画像分解能力が決まります。まともに天体観察をしたければ、最低でも直径60cmの天体望遠鏡が必要で、さらにそのレンズにはいろにじみの出ない加工がしてある必要があります。

とtれもではありませんが、一万円以下でこの性能の天体望遠鏡は生産できません。安さと謳い文句につられて買ってしまうと、色にじみのした天体を見ながら、さらに悔し涙でかすんで見えなくなるでしょう。

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■天体望遠鏡の種類(屈折式・反射式など)


●屈折式望遠鏡



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もっとも一般的な天体望遠鏡が凸レンズの屈折を使用した屈折式望遠鏡です。

メンテナンスが不要で、初心者にも扱いやすいのが長所ですが、レンズ特有の色収差(プリズム作用)があることが短所になります。この色収差は屈折率の違う複数のレンズを張り合わせたアクロマート(二枚レンズ)やアポクロマート(三枚レンズ)によって補正されますが、当然価格は二倍・三倍となります。

また、10cmを超える中型口径になると極端に価格が高くなることも短所です。初心者や小学生には入門用の6cmアクロマートあたりがおすすめです。

●反射式望遠鏡



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凹面鏡の反射を利用したタイプの望遠鏡が反射式望遠鏡で、色収差が無いこと、大口径でも比較的リーズナブルなことが長所です。反面、定期的に鏡の角度を調整する「光軸合わせ」という作業が必要になる手間があります。また、開放式のため扱いを丁寧にしないといけません。

多くの人は、安価で扱いやすい6cmクラスの屈折式望遠鏡を最初に購入しますが、実際土星の輪などは分離して見えないので、落胆して天体望遠鏡に対する興味も失ってしまいます。

筆者が最初に購入したのは、土星の輪が見たかったので、10cm反射式望遠鏡でしたが、その感動が長らく天体観察を趣味にできたきっかけだったと考えています。

個人的には、まず、はじめに購入するのは10cmクラスの反射式望遠鏡をおすすめします。

●シュミットカセグレン式望遠鏡




屈折式望遠鏡の扱いやすさと反射式望遠鏡の大口径を融合させた、最新式の望遠鏡がシュミットカセグレン式(またはカタディオプトリック式)天体望遠鏡です。レンズ群と反射鏡群を持つため、その分価格が高くなるのが短所です。

主に、中級者の買い替え用として人気ですが、本格的に星が好きな方は、思い切って最初からこのタイプを購入するのも一つの方法です。

●ドブソニアン式望遠鏡




反射式望遠鏡をさらに簡易的な構造(完全開放型)にして、口径の大きさとリーズナブルさを追求したのがドブソニアン式天体望遠鏡です。上級者の低倍率星雲・星団観察に人気ですが、さすがに初心者や小学生にはおすすめしません。

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■架台の種類(経緯台と赤道儀)


●経緯台




天体望遠鏡の架台には経緯台と赤道儀がありますが、シンプルで安価なのが経緯台です。その機能は、ほぼカメラ三脚と同様で水平・垂直方向に稼動します。天体を見ていると地球の自転でどんどん視野から動いていきますが、経緯台の場合、常に水平・垂直の二方向の操作をして観察対象の天体を手動で追い続ける必要があります。

特に、高倍率では視野のなかで天体が動く速度は早く、惑星観察などでは2~3秒で視野から消えてしまいます。惑星観察には経緯台は事実上使えないと考えたほうが無難でしょう。

●赤道儀




天体の周回運動に合わせて、軸を北極星に事前にあわせておき(極軸合わせ)、一方向の操作だけで天体を追い続けることのできる架台が赤道儀です。慣れるまでは極軸あわせは少し手間ですが、惑星観察などの高倍率使用では、ほぼ必須の架台となります。



また、赤道儀にはオプションとしてモータードライブが装着可能で、一度観察対象を視野に捉えたら、あとは自動追尾をしてくれるので観察に集中できて快適です。

また、近年のものはコンピューター制御されており、目標天体の緯度・経度を入力するだけで、自動的に天体を捕捉してくれるものもあります。

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■口径による土星の輪の見え方



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天体望遠鏡の選び方の基準の一つに、土星の見え方で決める方法があります。こちらの画像は、一般的な口径6cm・10cm・20cmクラスそれぞれでの土星の見え方の画像です。

口径6cmでは土星の輪の分離は不可能で、茶色いレモンのように見えます。これは、口径による分解能力の限界なので、どんな高級レンズの6cmでも分離はされません。

10cmクラスになると土星の輪が分離されて見えるようになりますが、その縞模様は見ることはできません。

土星の縞模様まで観察しようと思うと、口径20cmは必要になってきますが、屈折式望遠鏡でこの口径の市販品はなく、特注すると高級外車並みの価格になりますので、現実的には反射式の一択になります。

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■月面観察なら6cm屈折経緯台


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月面観察なら、最低限の口径と機能の屈折式望遠鏡+経緯台のセットでも十分にクレーターの細部まで見えます。おすすめの天体望遠鏡を各メーカーから選びました。

●ケンコートキナー




●ミザールテック




●ビクセン




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■星団観察なら10cm反射経緯台


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低倍率での星団観察なら追尾にそれほど手間がかからないので経緯台で十分です。星を一つ一つ分解して見るためには、分解能の高めの10cmクラス反射式望遠鏡がおすすめです。

●ケンコートキナー




●ビクセン




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■惑星観察なら15cm反射赤道儀



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惑星を観察するのなら、やはり分解能の優れた15cmクラスの天体望遠鏡に、追尾機能の確実な赤道儀の組み合わせが必要になってきます。なお、15cmクラスの屈折式は非常に効果になりますので、現実的には反射式の一択です。

●ケンコートキナー




●ミザールテック




●ミード




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■天体撮影なら10cm屈折赤道儀



天体写真撮影に最適なのは、気流の乱れの影響を受けない密閉式の屈折式望遠鏡です。分解能から考えて、10cmクラスのものはおすすめですが、それなりの価格になってきます。また、ブレのない写真を撮るためには、周回運動をモータードライブで自動追尾する必要があります。

●ケンコートキナー




●ビクセン




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■20cmクラスの天体望遠鏡


最後に、天体ファンの憧れのクラスである20cmクラスの赤道儀天体望遠鏡を反射式とシュミットカセグレン式から各メーカーごとにご紹介します。

●ケンコートキナー




●ミード




●ビクセン






■ふるさと納税でもらえる天体望遠鏡



天体望遠鏡は、ふるさと納税のお礼の品としてもらえます。2015年にワンストップ制度が導入されてから、会社員の方でも面倒な確定申告なしでふるさと納税の利用が可能になりました。

かなりお得ですのでおすすめです。







ここでご紹介したのは一例で、様々なタイプの天体望遠鏡が納税額に応じていただけます。

詳しくは下記の記事をご覧下さい。

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